クレジットカードのキャッシング枠は審査に大きな影響を与える？
クレジットカードの申込書にはキャッシング枠を希望するか否か、利用限度額はどれぐらいにするのか記入する欄があります。軽い気持ちで「20万円ぐらいにしておこうかな」などとしてしまうと審査落ちを招く可能性があるというのはご存知でしたか？クレジットカードのキャッシング枠と審査の関係について解説します。
ショッピング枠とキャッシング枠は別審査！
この頃のクレジットカードはほぼすべてにキャッシング枠があるといっても過言ではありません。しかし、じつはショッピング枠とキャッシング枠の審査は別物なので注意が必要です。
ショッピング枠の審査は意外と甘い
たとえば利用限度額が10万円程度のショッピング枠のみのクレジットカードならば誰でも持てるといってもよいでしょう。年収が少なくても安定収入があればOK、過去に多少の支払い遅延などの金融事故の履歴が信用情報機関に残っていても見逃してもらえます。
ただし、三井住友VISAカードのような銀行系クレジットカードでは過去の信用情報だけではなく現在の支払い状況も厳しくチェック。延滞がある状態ではたとえ少額のショッピング枠のみのクレジットカードでも審査通過は難しいので注意してください。
キャッシング枠の審査は厳しめ
一方、キャッシング枠の審査はショッピング枠のようなわけにはいきません。まず、パートやアルバイトでも構わないので自分自身の収入は必須です。いくら世帯年収があっても、自分が無収入の専業主婦や学生はキャッシング機能つきのクレジットカードを持つことはできません。
さらに、すでにカードローンなどで年収の3分の1近くの借り入れをしている人も審査通過は不可能です。いわゆる貸金業法による総量規制です。総量規制は消費者金融、信販会社、クレジットカード会社のすべての借り入れが対象となるので注意してください。
専業主婦や学生は家族カードでキャッシング
専業主婦や学生がクレジットカードでキャッシングをしたいならば、家族カードがおすすめです。ただし、家族カードによるキャッシングは本カードの所有者に必ず通知されます。家族に内緒でお金を借りることはできません。
クレジットカードのキャッシング枠を設定しないメリット
クレジットカードはどうしてもキャッシング枠をつけなければいけないというものではありません。あえてキャッシング枠をつけない選択にもメリットはあります。
審査が通りやすくなる
「どうしてもクレジットカードが欲しい。しかし、過去に金融事故を起こしているので審査を通過できるか不安」という人もいるでしょう。そんな時こそ、キャッシング枠をあえてつけないという選択がおすすめです。
最初は５万円程度のショッピング枠からスタートという場合もあり「そんなクレジットカードでは持っていても仕方ない」と、思うかもしれません。しかし、じつはショッピング枠は増やすことが可能です。定期的にクレジットカードを利用してきちんと返済して信用に対する履歴を作っていけば10万円、20万円とショッピング枠を増やせます。キャッシング枠を捨ててでもとりあえずクレジットカードの審査を突破しておく意義はあるのです。
不正利用の被害を防止
どんなクレジットカードでも不正利用のリスクはあります。ショッピング枠には補償があるものの、キャッシング枠に関しては必ずしも対象になっていないというのはあまり知られていません。
キャッシング枠を利用する予定もないのになんとなくつけて暗証番号も変えずにいたら不正利用されてしまった……という事例も実際にあります。このようなケースは補償対象外となるので「なんとなく」という軽い気持ちでキャッシング枠をつけるのはおすすめできません。
クレジットカードのキャッシング枠を設定しないデメリット
以上のようなメリットを考えてクレジットカードにキャッシング枠をつけなかったとしましょう。すると、次のようなデメリットが発生してしまい「つけておけばよかった！」と、後悔する人も少なくありません。
即日融資を受けるのが大変！
人生、どこで急にお金が必要になるかわからないものです。もし、即日融資を受けたいとなったら消費者金融のカードローンを新たに契約するなどしなければいけません。最近はWEBから申し込めるものもありますが、それでも手間と時間はかかります。
クレジットカードでキャッシングできるようにしておけば、そのような面倒はなかったはずです。提携ATMを利用してまるでキャッシュカードで引き出すような感覚で借り入れができるのですから。いざという時のためにキャッシング枠ありのクレジットカードを発行しておくのは賢いひとつの選択といえるでしょう。
海外でのピンチを乗り切れない！
クレジットカードは世界中どこでも利用できるのが魅力です。しかし、旅行にせよ出張にせよやはり現金がどうしても必要になることもあります。そんな時、ショッピング枠のみのクレジットカードではどうしようもありません。
一方、もしキャッシング枠を設定していたならば、海外の提携ATMからお金を借りることができます。現地貨幣をそのまま引き出せるため両替の手間もありません。「空港で両替するよりも街中のATMでキャッシングするのが、一番レートがいい」と、旅慣れている人からも好評です。キャッシング枠を設定しなければこのような恩恵を受けることもできません。
クレジットカードでキャッシング枠を設定する際の注意点
以上のようにクレジットカードのキャッシング枠を設定することはデメリットよりもメリットの方が大きいといえそうです。では、実際にキャッシング枠を設定する際にはどんな点に注意すればよいのでしょうか？
審査通過のためには利用限度額は小さめに
キャッシング枠もショッピング枠同様に後から増額できるようになっているクレジットカードも少なくありません。審査通過を第一に考えるならば、申し込みの際には利用限度額はできるだけ少なめに設定しておきましょう。
キャッシングの手数料は高め
同じ金額を利用したのであってもショッピングとキャッシングではかかる手数料が異なります。たとえば、楽天カードではショッピングならば2回払いまでは手数料無料です。一方、キャッシングはたとえ一括で返済する方法を選択しても手数料がかかります。
キャッシングにはポイント還元はない
クレジットカードではショッピングをするたびにポイントがつきます。コツコツとためてマイルに交換したり、キャッシュバックなどの特典を受けたりするのを楽しみにしている人もいるでしょう。しかし、キャッシングではポイントがつきません。当然、マイルを貯めることもできないので要注意です。
キャッシングは信用情報に記録される
クレジットカードでいくらショッピングをしても信用情報に記録されることはありません。しかし、キャッシングは信用情報に残ります。新しくローンを組む際、賃貸物件の入居審査などに影響することもあるので、くれぐれも借り過ぎや遅延・延滞に注意するようにしてください。
審査を突破してキャッシュカードにキャッシング枠を設定する価値は大いにある！
最後に、今回の記事のおさらいをしましょう。
- クレジットカードのショッピング枠とキャッシング枠は別審査。キャッシング枠の方が厳しい。
- クレジットカードの審査にどうしても通過したいならば、あえてキャッシング枠を設定しないという方法もある。
- しかし、クレジットカードのキャッシング枠はつけるメリットの方が大きい。できればぜひ設定を！
- キャッシングを利用する際には手数料はショッピング枠以上にかかること、ポイント対象外となることなどを理解する。
クレジットカードの審査では「ショッピング枠はOKでもキャッシング枠がNG」というケースもよくあるものです。それでも、可能ならばぜひ設定しておきたいキャッシング枠。突然、即日融資が必要になった時も、海外で現金がどうしても必要になった時もきっと助けてくれるでしょう。もし、審査通過に自信がないないならば、まずは利用限度額を小さめに設定して申し込んでみてはいかがでしょうか。
